特集3:家づくりノウハウ<上級編:こだわりの家づくり>
『家づくりを成功させる為の、たった4つのポイント!』
家づくりを成功させる為に必ず考えなければいけないポイントを4つ厳選!
今からでも自分で考えられるマル秘『設計術』を公開!設計のノウハウがわかります。
1 環境
Keywordは......
- 『光』と『風』をさがそう!
- プラス思考で考えよう!
- 『敷地のプランニング』しよう!
光と風をさがそう!
居心地のよい家とは
明るく、風が通り抜け、自然のうつろいを感じ、
気分が贅沢になり、感性が豊かになる、
そんな家ではないでしょうか?
すべての部屋をそのような条件が見合うように設計をするのは至難の技です。
また、現在は敷地状況の関係で難しいかもしれません。
しかし、少しでも居心地のよい家にする為のプランニングの奥義はあります。
それは、『敷地の一番条件の良い所に普段の生活で一番長く居る部屋をもっていく!』事です。
これは簡単な事のようですが、非常に難しい事でもあります。
敷地の一番条件の良い所とは、『日ざし』があり『風が通る』所です。
これを自分の敷地から探し出す事が、居心地のよい家にする為の第一歩です。
例えば『建て替え』であれば現在も住んでいるわけですから、『日当たり』や『風が通る所』を探し
出す事は、よく考えれば思い当たる節があると思いますので間違いのないように設計者に伝えてください。
でも『更地に建てる』場合は『光』と『風』をさがすのは結構むずかしいのです。
朝に行ったり、昼に行ったり、夕方行ったりしてみなければ分かりません。
五感をしっかり働かせ感じ取りましょう!
『光』と『風』は目に見えないものです。
それを探し出す為には、お客様も設計者も現場でじっくり見て感じることが必要です。
プラス思考で考えよう!
地形や立地条件を生かす事もとても重要です。
『変形した敷地』
『周りを高い建物に囲まれている敷地』
『道路開通に伴う周囲の変化』
『高低差がある』
など、一見、悪い条件に見える土地でもそれを逆手に取る事により、隣地の視線を遮断したり
周囲の環境を建物の内部まで取り込んだり、土地の形状や方角などの特性を生かしたりする事により、
その土地の問題点を克服できるのです。
地形や立地条件を生かすには、
『プラス思考で敷地を見てあげる事』
『その土地の長所を探してあげる事』
が、すばらしいアイデアの発想につながり、そこにしかできない家をつくることができるのです。
『敷地のプランニング』をしよう!

お客様は家づくりを考えた時にすぐに建物の間取りや部屋数を考えるかもしれません。それは、とても大切なことですが、さらに良い家にする為にもっと重要な事があります。
設計者によって考え方はいろいろあるので違うと思いますが、私の考え方は、『敷地をプランニングする』ということです。これは、後で詳しく説明をして行きますが、家の間取りにも大きな影響を与えます。
キーワードは『方位』『主庭』『車庫』『玄関』『前庭』の5つです。
敷地をプランニングするには、ちょっと難しいかもしれませんがこれら5つのキーワードをすべてを同時に考えて下さい。
但し、お客様の要望や敷地条件で何を最優先にするかによって考え方は異なり、この場ですべての条件について説明することは不可能なので、一般的な住宅街の2階建ての場合を例にとって『敷地のプランニング』の考え方の基本をお教えします。
ここでは、西側道路で北の方向は三角形の示す方向の上図のような敷地の場合を例にとって考えて行きます。
お客様で自分の敷地図があれば鉛筆で下記の説明に従って同じように書いていきましょう。
自分の敷地を把握するのにも大変役にたちます。
それでは5つのキーワードを一つ一つ説明します。
1『方位』について

お客様の敷地に対して『北がどの角度に向いているか?』を把握して下さい。
建築基準法の斜線規制にもかかわってくるので大切な事ですが、ここで一番重要なのは『南側がどちらをむいているか=日当たりがよいのはどこか?』がわかるからです。
その南側(日当たりの良い所)を最大限生かし間取りをつくるからです。
※現在は南側だからといって日当たりがよいとは限りませんのでその場合は上記のところで書いた手法の場所を、ここで言う南側だと思って下さい。
ここでは下図のように(赤い線のグリッド)方位を把握してみました。
2『主庭』について

主庭とはメインの庭という意味です。
敷地に余裕があれば奥行き5mとれればゆとりがでます。
また、庭がいらないというお客様もいるでしょう。2階建てと3階建てでは考え方もちがってきます。
庭の取りかたにもいろいろな考え方が有ると思います。
庭の奥行きはそんなにいらないが、横にながくとりたいとか横に長さはいらないが、一部分を固まりとして奥行きを深くとりたいなど。
お客様の考え方一つで庭の取りかたは変わってきますし、間取りにも大変影響を与えます。
ここでは一階に家族が一番長くいる部屋のリビングを持ってきたいので一部奥行きを深くかたまりでとるような庭にしてみました。
3『車庫』

車を何台とるか、縦列駐車か、並列駐車か、ビルトインガレージにするか、屋外に置くかを考えてください。
道路が敷地の東西か、南北かによってとる位置はかわります。
道路と敷地に高低差がある場合どこに取るのが一番いいかを考えてください。
車庫の位置は玄関の位置にも大きく関係してきます(次の項目で説明)のでどこに車庫をとるかで大きくプランの方向性がかわってきます。
ここでは、日当たりの良い庭をなるべく確保する為に左図のようにとってみました。
4『玄関』

玄関はあまり車庫から遠くにはなれていない所にとるのがよいでしょう。
それは、雨がふった時や重い荷物を運ぶときは近い方が都合がよいからです。
また、家相などを気にする方はどこに玄関をもってくるかはとても大切でしょう。
ここでは、車庫からも近くまた外観上も考えて左図のようにとってみました。
5『前庭』

前庭とはあまり聞かない言葉かもしれませんが、『道路と建物の離れ』のことです。
玄関へのアプローチをつくったりその家のシンボルツリーを植えたりする場所です。
ここが深く取れる家は格があるようにみえます。
また、逆に道路からすぐに家になってしまうと安っぽく見えてしまいます。
最低1.5mとるように心がけましょう。
家の周りは近隣配慮や屋外給排水や民法もからんできますので最低有効50・理想的には1mあけましょう。
6『家の形』

ここでは左図のように家の形を取ってみました。
以上のようなことから敷地をプランニングする事により左図のように家の形がみえてきます。
もちろん最初にも書いた通りお客様の要望や敷地の条件にようりこれだけの説明ではうまくいかないかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
どのような敷地でも、基本的には上記の5つのキーワードを応用する事によって問題を解決できるのです。
敷地をプランニングする考え方が分かれば、家づくりがきっと楽しくなるはずです。
また、イメージも湧きやすくなるでしょう。
家の間取りを考える前に敷地をプランニングすることにより自分の敷地の良い所や悪い所が見えてきます。
それはきっとお客様の家づくりに役にたつはずです。
そして次に考えるのが上記の『敷地のプランニング』を生かして間取りを考えるのです。
次の項目で説明して行きます。
2 プランニング
Keywordは......
- プランニングを練り上げよう!
- 中庭・吹抜け・階段
プランニングを練り上げよう!
お客様は『プランニング』と聞いて何を想像されますか?
そうです!『家の間取り』を考える事です。
これは家づくりを進めて行く上で最も『楽しい事』の一つでもありますし、また最も『重要な事』の一つでもあります。
私はプランニングと言うのは人間で言えば『骨格』にあたる部分だと考えます。
例えば、人間は骨格に異常があったり、歪んでいたらどうなるでしょう?
体の内部の内臓から健康を害したり、また、骨格がもろければすぐに骨折をしたりします。
それは結局長生きできないと言う事です。
建築で言えばプランニングが狂っていると本当に何をやってもお客様の理想的な家にはならないと言う事です。
例えば内装にお金をかけたり設備にお金をかけても最初は満足すると思いますが、内装は『はやり、すたり』がありまた、必ず傷むものです。
設備は1年たてばすぐに新機能を搭載した新しい物がでます。
せっかくお金をかけてもそれに飽きた時に見えてくるのは、『家』本来のプランニングに対する不満です。
逆に言えばしっかりとプランニングを練り上げれば、極端な話、内装や設備などにお金を全然かけなくても、豊かな空間をつくりあげる事で、長い年月がたっても色褪せない住むほどに味がでる家になるでしょう!
ですから『内装や設備にお金をかけてはいけません!』と言っているのではなく
そちらの方ばかりに意識がとられているお客様が非常に多いので、本来一番大切な『プランニングを練り上げ豊かな空間をつくる!』と言う事に意識を持って行く事をお薦めします。
キーワードは『中庭』『吹抜け』『階段』
<敷地条件>
では、『プランニングを練り上げ豊かな空間をつくる』にはどうしたらよいか?
を説明して行きましょう。
これにはいろいろな手法があり設計者によっても『考え方』『信じるもの』が違ったり、お客様の敷地条件によっても変わってくるので『絶対にこれだ!』と言う事はありませんが、ここでは私が考える事を、下記のような敷地に対してプランニングをする事で説明してゆきたいと思います。
家のプランニングに対して『豊かな空間』をつくる為の3つのキーワードは『中庭』『吹抜け』『階段』です。
それををプランに取り込むとどうなるか?を分かりやすく書いてみました。
敷地条件は左図のような形で閑静な住宅街で北側道路で高低差無し車1台で考えてみたいと思います。
まず最初に『環境』のところで考えた『敷地をプランニングする』という手法で上記の敷地を下記のA,Bの条件で2つを比較してみましょう!
<ゾーニング>
A.普通に敷地をプランニングしてみる。
B.『中庭』『吹抜け』『階段』をとりこみながら敷地をプランニングしてみる。
上図のような形になります。
これをもう少し具体的にプランに落とし込みをすると下図のような形になります。
<1Fplan>
まず見て大きさが全然違うと思うかも知れませんが、AB共、同じ建築面積でつくっていますのでどちらも同じ条件です。
また、Bは中庭をとっているので建物が大きく感じるのと、プラン上建蔽率に算入されないテクニックをつかって作成しています。
さらに、ここで注目して頂きたいところが3つあります。
1.庭について
Aはごく一般的に庭が広く取れていますが、Bは南側に庭はAにくらべて狭いですが、そのかわり玄関正面に建物でかこまれた中庭(patio)がとれていて、またリビングとつながっているので色々な使い方を想像させます。
お客様だったらどうつかいますか?
想像してみて下さい!
シンボルツリーを植えてもいいですね!
セカンドダイニングとして晴れた日は食事!
南側にとる庭とはちょっと違った趣きがあります。
2.玄関アプローチ
Aはガレージから近くとても機能的ですが、道路に近いのでドアをあけた時に中が見えてしうという事もあります。
Bはガレージから遠いのですがアプローチを長く取る事によりそのアプローチに演出をする事ができます。
例えば、お花を植えたり、床のタイルを色々変えたり、照明でアプローチを演出したりと・・・
生活にゆとりを出す事ができます。
3.階段
Aは機能的に玄関ホールのすぐそばに持ってきていますので導線てきにはとてもいいです。
Bはリビング階段にすることにより階段も意匠的な見せ場として取り込んでいます。
階段はつくりかたにより『デザイン的な見せ場』にすることができます。
ストリップ階段、らせん階段、手摺も見せ場にできます。
次にに2階のプランですがおおよそですが下図のような形になります。
<2Fplan>
ここで注目して頂きたいところは『部屋数』と『吹抜け』です。
Aは部屋数は3つとれていますが、Bは2つと1部屋少なくなっています。
でも、リビングの上に大きな1部屋分の大きな吹抜けをとっています。
ここがポイントですが、家族構成は刻々と変わって行きますので、将来にそなえて完璧に部屋数をそろえておくよりも、むしろ臨機応変に変更できるようにしたほうがいいのではないでしょうか?
Bはここでは現状部屋数はたりているので、中庭に面したリビングの上部を吹抜けにすることにより、より明るく変化にとんだ心地のより空間を演出しています。
どうしても部屋数が必要な場合は吹抜け部分に部屋をつくるということで対応できるように考えました。
このように同じ条件の敷地でも考え方一つで全く違った家になる事がおわかり頂けたのではないでしょうか?
また、自分の信じるキーワードを取り込む大切さもお分かり頂けたのではないでしょうか!
上記はあくまでも1つの例ですが、みなさんはどちらの方が楽しそうな家ですか?
住んでみたい間取りの家ですか?
次は『素材』についてです。
3 素材
Keywordは......
- 木・石・土・紙の自然素材
家につかう素材選びを考えるときに、最近はシックハウスの問題から、自然素材を使った材料を選ぶお客様が増えてきています。
一口に自然素材といってもどのような物かわかりずらいと思いますが、『木』『石』『土』『紙』などを加工してできたものが『自然素材』といって言いと思います。
『木』について
木材で代表的な自然素材といえば『無垢のフローリング』だと思います。
お客様も使いたいと思われているかと思いますが、やはり自然の産物なのでさけられないのですが、木の特性がとてもよくでます。
例えば、冬の乾燥した時期や床暖房をつかったりしますと、乾燥収縮により隙間ができたり、梅雨の時期は膨張によりそりがでたりします。
特に問題がある訳ではないのですが、不安になるお客様が多いようです。
必ず理解をしてから使いましょう。
『石』について
石については国産物から輸入物まで幅広くタイル屋さんなどがあつかっています。
自然から切り出して持ってくるので物によっては化石が入っていたり、模様が違ったりしていて、ぴったり同じというような物はありません。
カタログと全然違う色だったりするので必ずショウルームやサンプルをとって確認しましょう。
『土』について
土は焼いてタイルになったり特殊な木造では壁につかったりします。
昔の日本建築では必ずといっていいほど壁に土をつかっていましたが、現在は、それらの塗壁ができる熟練工がいないため、あまり代表的ではありません。
現在代表的なものはタイルではないでしょうか?
またタイルは焼き物なので、国産物はそうでもないのですが、輸入物は結構『むら』があります。
逆にそれを生かすような形で貼る場所を考えるといいのではないでしょうか。
最近は素焼きのタイル(テラコッタ)がとてもはやっています。
石と同じですが、カタログと全然違う色だったりするので必ずショウルームやサンプルをとって確認しましょう。
『紙』について
紙の代表的なものと言えば障子や襖ではないでしょうか。
最近は和室をつくる方も土地の広さの問題で最近は減少してますが、和室をつくっても障子をいれないお客様もいます。
仮に障子をいれても障子を張り替えるのも面倒なので、化学的な破れない素材などをつかったりもします。
でも実際使ってみると自然素材なので環境にも良いし以外と新鮮な感覚だと思います。
うまく使う事を考えましょう。
またこの他に素材選びで重要なポイントになってくるのが
- 質感(マットな仕上げか?鏡面仕上げか?etc)
- 色
- コスト(非常に重要)
だと思います。
プランニングをさらに生かし『豊かな空間』をつくる為に素材選びは慎重に行いましょう!
4 信頼感・安心感
Keywordは......
- 意思のキャッチボールができるか?
- 信頼感、安心感を得るには?
意思のキャッチボールができるか?
現在は設計者に求められる能力は非常に多くなってきています。
その設計者を選ぶ時に考えなければいけない事は、
- 共通のイメージを持ちイメージを具体化できるか?
- 希望を最大限にかなえようとするか?
- 生活実感の近い設計者か?
- 素材や色づかいはどうか?
- 作品集をみて共感や安心感があるか?
など数えあげればきりがありません。
私も含めて設計者はみんなそのようになりたいと思っているはずです。
でも、設計者はスーパーマンでではなく人間なのですべてを兼ね備えている訳ではありません。
それでは上記のようなお客様の要望を解決するにはどうしたらよいか?ということですが、
『解決策が見つかるまでお客様と設計者がお互いに納得できるまで話し合う事!』が大切です。
また、それは言い方を変えれば
『お客様と設計者が意思のキャッチボールができるか?』
それにつきると思います。
問題点があれば、全てを『オープン』にして話合いをして解決していくという姿勢を、お互いに持つ事がとても大切だと思います。
最終的にはそれが『安心感』や『信頼感』につながるのではないでしょうか!
私自身は上記の事を常に意識しながら仕事をやるように心掛けています。
また、
- 『どのような設計者か?』
- 『うまくやってゆけそうか?』
- 『この人ならいい家になりそうか?』
- 『楽しく家づくりができるか?』
など・・・お客様が一度、設計者と話合って見極めることが非常に大切だと思います。
家づくりとは数日で終わるものではありません。
出会ってから設計をして着工から竣工してお引渡しまで1年近く時間がかかります。
楽しく家づくりをしていくにはお客様と設計者のコミュニケーションが非常に大切なポイントだと思います。

