<上級編:こだわりの家づくり>『吹抜け(BIG VOID)をつくろう!』

Mix CO.,LTD. Architect & Associates

特集3:家づくりノウハウ<上級編:こだわりの家づくり>

『吹抜け(BIG VOID)をつくろう!』

家族間のコミュニケーションの問題を解決しながらも、気持ちの良い空間を手に入れる方法とは?

建築設計事務所・株式会社Mix

家族間のコミュニケーションで悩んでいませんか?


現在のご家庭では、家族間同士や思春期を迎えたお子様とのコミュニケーションに悩んでいる方は多いと思います。

当事務所に、家づくりのご相談にこられるお客様の中でも、思春期を迎えたお子様がいるご家庭では、
『子供がいつ家に帰ってきたのか分らない』
『部屋に閉じこもりきりで何をしているのか分らない』
『帰ってくるなり自分の部屋に直行してしまうので顔を合わせる機会がない』
など・・・というお話をよく聞きます。

この問題は、上記のようなご家庭だけでは無く、まだお子様が小さいご家庭でも、これからの事として十分参考になると思います。

吹抜け(BigVoid)1吹抜け事例1
吹抜け(BigVoid)2吹抜け事例2

また、お子様との問題だけでは無く、現在お住まいのキッチンがクローズドタイプ(リビング・ダイニングから独立した見えない形)なので、奥様だけ家族から隔離されて家事をしているケースがあります。

そのような場合には
『孤立感がある』
『疎外感がある』
など・・・問題があります。

現在分譲されされているマンションや個建住宅のチラシに出ているプランを見てみると、
上記のような問題を解決する為の
『家族間のコミュニケーションはとりやすいか?』
『家族間の気配は感じられるか?』
など・・・という事は、プラン上考慮しているとは思えません。

それよりも『建てる側・売る側』は、4LDK・3LDK・・・など『部屋数がいくつあるか?』という事を、
最優先事項としてプランニングしているのは明らかです。

でもそれは『建てる側・売る側』だけの原因だけではなく、それを選ぶ『お客様』にも原因があると思います。

現実的は、家を建てたり・買ったりする時には、家族の生活・敷地条件・家族構成・総予算・・・など
考えなければいけない事はたくさんありますので、
『家族間のコミュニケーションはとりやすいか?』
『家族間の気配は感じられるか?』
などとは、絶対に考えないと思いますし、考える余裕もあまり無いと思います。

但し、私はそれが悪いと言っているのではありません。
現実的には、それを考慮しての決断は一つの選択肢だと思います。

そのような決断の上で、上記にも書きました通り『家族間でのコミュニケーション』という部分で悩んでいる方が多い事もまた事実です。

でも『コミュニケーション』と一口に言っても『どのようなタイミングでどうとるか?』非常に難しいと思います。なるべく自然体でいきたいものです。

『吹抜け』を通して縦方向につなげる!


では『どのようにこの問題を解決していったらよいのでしょうか?』私は、カウンセラーではなく建築の設計者ですが、ある程度は家のプランに『仕掛け』をつくる事で、その悩みをうまく解決できるのです。

その仕掛けとは『吹抜け』です。
そしてこの『吹抜け』ですが『どのようにとるか?』が設計上の『極意』となります。

その『極意』とは、家族が集まる部屋、つまり『リビング』や『ダイニング』と各個室、つまり『子供部屋』や『主寝室』を吹抜けを通して縦方向につなげる! という事です。

具体的な<事例1・2・3>を左側にのせましたのでじっくりとご覧下さい。

例えば<事例1・2>のプランの考え方では、1階に家族の集まるリビング・ダイニングとオープンキッチンを持ってきて、この空間に大きな『吹抜け』をつくってあります。

そして、吹抜けを囲む形で、2階ホールや子供部屋・主寝室をつなげてあります。このように、『吹抜けを通して縦方向につなげる』のが理想的な形だと思います。


このような形のプランでは、吹抜けのあるリビングに階段をもってきた事で、必ず家族のいるスペースを通らなければ、自分の部屋に行く事はできないので、自然と顔を合わせる事ができますし、逆に出かける時も一緒です。

吹抜け(BigVoid)3吹抜け事例3

<事例3>では、リビング階段では無いが、各個室に行く為のホールをリビング上部の吹抜けとつなげてありますので、同様の効果が得られます。

顔を合わせるだけでも安心感があると思いますが、子供が自分の部屋に入っても、リビングの上部にある吹抜けと子供部屋とが縦方向につながっていますので、この吹抜けを通して『起きているのか?』『寝ているのか?』など・・・
例え話しをする事がなくても、子供の気配を感じ取れるので、親にとっては十分安心感があると思います。

逆を言えば、子供自身もリビングにいる親や兄弟・姉妹の存在を感じる事ができるので、安心感があると思います。

また、キッチンにいる奥様にとっても、このような形でプランをつくる事で、常に家族の気配を感じ取る事ができますし、また孤立感から開放されます。

でもそれだけではありません。
この吹抜けのある空間は、天井高が5m以上と非常に高いので、とても開放感があり気持ちにゆとりをもたらします。

吹抜けにつけた大きな窓からは、青い空・白い雲・雨などが見え、光を呼び込み季節の変化を敏感に感じ取り、この家に住む人の感性を刺激します。

・天気のよい休日には、このゆとりの空間でゆったりとした音楽を聴きながらcoffeeでも・・・

・吹抜けの窓から青い空や白い雲をみながら、一日中ボーッと眺めながら休日を過ごすのも最高です。

・<事例2>の様に個室に小窓を付ければ、部屋に居ながらにして1階リビングにいる家族と吹抜けを通して話しができます。

・寒い冬でも吹抜けにつけた窓から暖かい日差しがさんさんと降り注ぎますので、昼間は暖房をつけなくても大丈夫です。

もちろん、敷地条件や家族構成また予算的な面からも、全てこのような形が良いとはかぎりません。

でも『吹抜けを通して縦方向につなげる!』というこの考え方がとても大切で、これをなんとかつくる事で、家のどこにいても常に家族の気配を感じ取る形につくる事ができるのです。

『ちょっとした仕掛け=吹抜け』


みなさんは、このような『吹抜け』のある気持ちのよい空間をどこかで感じた事はありませんか?

上記のような考え方で『吹抜け』をつくる事で、コミュニケーションの問題を解決しながらも気持ちのよい空間を手に入れる事ができるのです。

そして、このような空間をつくる事はには決して難しい事ではありませんし、また坪数が大きい建物である必要はありません。

最後にコミュニケーションとは、基本的にはそこに住まう人と人(家族間)の問題であると思いますが、器である建物に『ちょっとした仕掛け=吹抜け』をつくるだけでも、コミュニケーションが自然にそしてスムーズになったりするものです。

家づくりを考えているお客様は、是非一度この事を考えてみる事をお薦めします。

吹抜け(BigVoid)タイトル