設計事務所』とは?
『設計事務所とはどのようなところなのか?』
と以外と知られて無いのではと思い、他の会社と比較しながら分かりやすく具体的に解説してみました。
1.家を建てるには『どのような所がありますか?』
家を建てる時にまず最初に考える事が『どこでやるか?』だと思いますが、
現在は多様化していますので、昔のように選択は一つではありません。
それでは、『どのような所があるのか?』ですが、
a.住宅メーカー
b.工務店
c.ゼネコン
d.設計事務所
大体この中から選定するのが一般的だと思います。
多分一番多いのは『住宅メーカー』か『工務店』だと思います。
最近はテレビや雑誌の影響もあり設計事務所も確実に増えてきていると思いますが、
住宅メーカーほどではありません。
2.『代表的な会社は?』
a.住宅メーカー
有名な所では『積水ハウス』『ヘーベルハウス』『ダイワハウス』などです。
TVコマーシャルも頻繁にやっているので聞いた事はあると思います。
b.工務店
TVコマーシャルなどはやっていませんが、地域密着でやっていますので、だいたいどこでも
その地域で有名な工務店が2〜3社あると思います。
c.ゼネコン
有名な所では『大林組』『清水建設』『鹿島建設』などでが、小さいゼネコンもたくさんあります。
d.設計事務所
設計事務所は大きく分けて2種類あります。
『アトリエ設計事務所』と呼ばれる所と『組織設計事務所』と呼ばれる所があります。
アトリエ設計事務所は『安藤忠雄』『丹下健三』などの建築家個人あるいは数人が主かんしているものであり、
組織設計事務所では『日建設計』『日本設計』のような文字通りで大人数のスタッフで構成されてます。
どちらも建物の設計をする点では同じであり、その境界は曖昧であるが、大雑把にいうとアトリエ事務所は
建築家の個性を打ち出した建築の設計をするところであり、
組織事務所は不動産的な建築を主に設計するところであります。
前者は芸術的側面を重視して設計する傾向がありますが、
後者は芸術性を無視するわけではないが、スタッフが大人数であるため個性が見えにくくどちらかというと
建物の機能を重視する傾向があります。
3.各会社の『一番大きな違い』はなんですか?
業務の内容として一つの会社で『設計・監理・施工』するか『設計・監理』かです。
したがって一番大きく違うのは『施工』をするか?しないか?です。
a〜cまでの会社は『設計・監理・施工』
dの会社は『設計・監理』です。
4.それでは設計事務所でやる場合『施工はどうする』のですか?
お客様と打ち合わせでできた図面で3社ぐらいから相見積をとり、
その中からお客様が業者選定をして契約をします。
なぜ3社から見積をとるかといいますと価格に対して競争原理が働くからです。
施工会社は工務店やゼネコンになりますので、
お客様は『施工会社』『設計事務所』の2社と契約することになります。
5.『なぜ設計事務所は設計のみで施工はしないのか?』また『お客様にとってメリットはあるのですか?』
建築をするには『お客様の立場』と『施工会社の立場』があります。
そこで、『どちらの立場に立つか?』ということが問題ですが、
それは分かりやすく言えば『どちらの利益を守るか?』ということです。
設計事務所が施工をしない一番大きな理由は結論から言うと『設計者がお客様側の立場に立てる』からです。
『お客様の立場』で考えると、例えばお客様の立場に立つはずの設計者が施工会社の一員だと、
施工会社に雇われている為、お客様の為になるような事でも会社の利益に反するような事は言えないので、
どうしてもお客様の立場に立ちきれません。
ですから家づくりを進めて行く上では、『お客様』対『施工会社』という図式になってしまいます。
そうなると現実的な問題としてお客様は、専門の知識や経験をもった人を直接相手にするわけですから、
いろいろな事がなかなか言えずとても手強いわけです。
例え言ったとしても、相当お客様も勉強をしていないと、全てを理解するのは難しいでしょう。
そこでお客様側に立って専門知識や経験をふるにつかって言いたい事を代弁したり、
専門用語を分かりやすく解説したり、弁護する人が必要です。
それが設計事務所の設計者で、そうすると『お客様と設計者』対『施工会社』という図式になります。
その立場を分かりやすく言えば設計者はお客様の弁護士で施工会社は検察官みたいなものです。
ただし、そんなに対立関係になるわけではありませんが、
ある意味いいものをつくるにはそういった緊張感が必要だと思います。
『施工会社の立場』で考えて見ると、専門の知識や経験をもった人がお客様側にいるので、
いい意味でやりにくくなるはずですが、でもそれはお客様にとってはメリットとなるでしょう。
変なごまかしはできないという事です。
したがって、設計事務所の設計者は、施工会社とは関係のない立場に立っているので、
お客様側の立場で現場に対していろいろな事が言えるのです。
そうする事によって建物の品質を向上させることに努められるのです。
施工をしないことによって、お客様の立場に立つことが、お客様の最大のメリットにつながると考えています。
6.どのようにコンタクトをとるのですか?
『住宅メーカー』は展示場にいくのが一般的だと思います。
『工務店』は地域密着でやっていますので、広告をみたり電話帳で探したりとする事だと思います。
また町中に気に入った家があったら勇気をだしてどこでやったのか教えてもらい紹介をしてもらう方法もあります。
『ゼネコン』は大規模な工事しか基本的にはやらないので、紹介以外は難しいと思います。
『組織設計事務所』も基本的には大規模な建物をメインに設計及び監理をしていますので、紹介以外は難しいでしょう。
『アトリエ設計事務所』はコンタクトをとるのは勇気がいるかもしれませんが、
個人でやっている所がほとんでですので、気軽にホームページや電話でコンタクトを取ってみてください。
お客様は展示場にいかれるのがこの中では一番気が楽だと思いますが、
ちょっとした勇気をだせば違う世界が広がっています。
設計事務所とはどのようなところかだいたいお分かりいただけたでしょうか。
住宅メーカー VS 設計事務所
何が違うのですか?『住宅メーカー』と『設計事務所』
私は『住宅メーカー』と『設計事務所』の両方で働いてきましたので、
少しでもお役に立てればと思い私の経験をレポートさせていただきます。
プランの自由度は違うのですか?
住宅メーカーは自社で開発をした独自の構造(木造や鉄骨造など)をほとんどの会社が持っていますが、
それには、莫大なお金をかけ研究開発をしています。
工業化するのに最適な材料で、安全性が高く、使う材料がいい意味で均等になるもので、
コストが安くつくれる..........!などそのような考え方で研究開発をしています。
したがってお客様の『希望の構造』『土地にあった構造』『コストにあった構造』で選択するのとは少し違います。
また、住宅メーカーは確認申請などを早く取得できるようになっていますが、
工業化認定(独自の構造で大量生産するには認定を受けなければならない。)を取得する事によって、
確認申請の構造の審査をはぶけるようになっています。
それは構造基準がきまっているからで、逆に言うとその基準からはみでるようなプラン
(例:吹抜けを大きくとりたい!、窓を目一杯大きくしたい!、Rの壁をつくりたい!etc.....)などはできません。
このようなシステムなので自由な発想でプランをつくるとちょっと厳しいのではと思います。
私が住宅メーカーから設計事務所に移ったのもそこが理由です。
(構造に縛られたり、プランの制約から逃れ、自分で自由に設計したかった!)
設計事務所では、住宅メーカーのように自社で研究開発した独自の構造で設計はしません。
構造は木造、鉄骨造、コンクリート造など『お客様の希望の構造』『土地条件にあった構造』『コストにあった構造』
というような基準で構造を選択し設計をして行きます。
構造の基準は構造計算という手法により専門の構造設計事務所で計算をしてもらい安全性を確認して行きます。
こちらは住宅メーカーとは違い、実際に個別にお客様の家に対して構造計算をして安全性を確認して行きますので
プランによってできないと言う事はありません。
以上のやり方なので手間はかかりますがプランの自由度ではとてもフレキシブルだと思います。
担当の人はどのようになるのですか?
住宅メーカーの組織はだいたいどこでも、
営業、設計、インテリアコーデイネター、積算、現場監督のような構成になっていると思います。
そしてメインの窓口となるのは、着工前が営業、着工後は現場監督になるのが一般的だと思います。
それぞれの業務を分業することによりスピードアップをはかっていますが、弊害もあります。
自分が担当した物件がいつ着工して竣工したかなど分かりずらいのです。
(自分の関係する部分の仕事が終わると次の部門へ仕事が流れていく為)
設計事務所は基本的にはすべての業務を通して一人が見ますので、細かいニュアンスや経緯なども把握できます。
窓口が最後まで一人で担当者が変わらないのが特徴です。
『担当者』と『お客様』の相性も非常に重要です。
設計事務所の設計者は住宅メーカーでいえば営業と設計になります。
どちらでやるにしても『この人なら大丈夫!』と見極めるの事が非常に重要です。
家づくりの進め方はどう違うのですか?
現在は家づくりに関しての本や情報がとても溢れていますが、
自分だけの為の家をお客様がもとめる時代になってきたのではないかと感じています。
ですからそれぞれの特徴をつかんでおく必要があります。
設計事務所は、設計をする物件数が少ない(住宅メーカーのようにはたくさんできない。)が一つの物件を時間をかけます。
住宅メーカーは物件が多い分、組織を充実させて分業化をはかり合理的にすすめて行きます。
家づくりの進め方として一番大きな違いは
『着工する前に全てを決めるか!』
『着工しながら考えて決めるか!』
につきると思います。
住宅メーカーは着工する前に全て細部の品番まで(例えばタイルの品番まで)を決定します。
このやり方にはメリットがあり、決めるものは全て着工前に決めますので最終的なコストはとても分かりやすいと思います。
あとは決定事項通りに出来上がるのを待つだけです。
デメリットについては、一度着工してしまうと、会社のシステム上決めた物を変更するのが難しい事です。
なぜかと言いますと家が工業化による工場出荷製品だからなのです。
(だから住宅メーカーでは家を商品と呼んでいます。)
それに対して設計事務所では、細部については施工会社が出す見積上に暫定的な品番で、
予算という形で入れておき具体的な品番に関しては建物が着工している途中で決めて行きます。
建物が出来上がる順序にしたがって材料を決めていけると言う事です。
このやり方のメリットは、お客様が実際に建った建物を現場で確認しながら品番の決定をしてゆけるので、
とてもイメージがしやすいので、その時点で当初決めていたものから、変更する事ができます。
デメリットについては、選ぶ物のコストに関しては気をつけなければなりません。(いいものを選びがちになるので!)
でも、ほとんどのお客様は現場打合せを愉しみに現場へきますが
『今日はどこまでできたのかな?』
『あそこはどんな感じになったのかな?』とか
多分、『家づくりをしている!』という実感が非常にあるのではないでしょうか?
まとめると、住宅メーカーは前もってすべてを決める為、家を工場出荷製品としてあつかうことができます。
ですから工期も短くあっという間にできあがる反面、現場で決めると言うような時間は無いのです。
設計事務所では、工場出荷製品とすることは無理なのですが、現場でつくる為に時間があるので、
つくりながら決めてゆけると言う事です。
どちらでやるにしても、お客様によってメリット、デメリットがあります。
でも最終的には...
『自分にあった家づくりができるのか?』
『いい家になりそうか?』
『楽しく家づくりができるか?』
...など、お客様が見極める事が重要だと思います。
(もちろん、家づくりをするのは設計事務所や住宅メーカーだけではありません。)
『住宅メーカー』と『設計事務所』の違いについて少しは参考になったのではないでしょうか?
是非共、お気軽にお問合せください。
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