『坪単価』とは何を表しているのですか?
私は以前、ある大手住宅メーカーに勤めていました。
設計として8年、将来の独立も考え営業を1年半やりました。
営業をやっていた時の話です。
よくある会話ですが、あるお客様から『坪単価高ね!』というような話がありました。
その時にもよくお話をさせていただいたのですが、坪単価とは多少は建物の金額の参考にはなるのですが、あくまでも結果論にすぎないと言う事です。
これから家を建てる人たちは『坪単価いくら?』とか家を建てた人は『坪単価いくらだった!』という会話をよく耳にしますが、私はこの『坪単価』という言葉は『家づくりをしようとしている人達に誤解をあたえているのではないか?』 と思いました。
そこで、今一度『坪単価』という言葉について、おさらいをしておいた方がいいのではないか…!と思いましてこの特集をくみました。
家をつくるにあたりお客様が一番心配される内容として見積があります。
坪単価を理解するには最初に『家の見積の中身はどのような項目があるか?また、家にはどのような諸経費がかかるか?』を理解してください。
家づくりにかかるコストにはどのようなものがあるのですか?
大きくわけて3つになります。
(1)建物のご予算
(2)設計監理料
(3)建築に伴う諸費用
細かく見ていきますと......
(1)『建物の予算』について
<A.建築主体工事>
1.仮設工事
内外足場・仮設(電気・水道・トイレ)etc
2.本体工事費
屋根・外壁・板金・基礎etc
3.木工事費
構造材・造作材・新建材・大工手間etc
4.金属建具工事費
アルミサッシ(木造の場合はガラス工事含む)・網戸・スチールドアetc
5.木製建具工事費
扉(面材・金物・吊り込み含む)etc
6.ガラス工事費
ガラスドアetc
7.石・タイル工事費
ポーチ・中庭・キッチン・浴室・洗面etc
8.家具工事費
キッチン・カップボード・洗面化粧台(金物・据え付け工事含む)etc
9.浴室工事費
ユニットバス・浴槽・化粧鏡・水栓金具・風呂フタetc
10. 瑕疵担保責任保険料
住宅瑕疵担保履行法により支払い限度額がきまってきます。
住宅を建築する場合は、必ず加入しなければいけない保険です。
<B.付帯工事費/a>
1. 給排水設備工事費
給湯・給水・排水・衛生器具等の工事費です。
2. 電気設備工事費
スイッチ・TV・TEL・コンセント・etcの幹線・電灯・弱電等の配線工事費です。
3. ガス工事費
プロパンの場合はガス会社が工事金額をもってくれますが、都市ガスの場合はかかってきます。
4. 換気設備工事費
24h換気・換気扇・ダクト・ガラリ等の工事費です。
5. 火災警報設備工事費
煙感知器・熱感知器等の設置工事費です。
6. 照明器具費
ダウンライト・シーリング灯・ブラケットなど器具そのものの費用です。
7. 外構・造園工事費
駐車場・ブロック積・植栽スペース・ポスト・インターホンん・表札等の工事費です。
『どこまでやるか?』で全然金額が変わってきます。
<B.付帯工事費/b>
1. 冷暖房工事費
『隠ぺい配管にするか?』『マルチエアコンにするか?』『何台入れるか?』などによって金額が変わってきます。
2. 床暖房工事費
『ガス・灯油・電気か?』『どの部屋にどのくらいの広さでいれるか?』などによって金額が変わってきます。
3. 特殊基礎工事費
地盤調査の結果により、改良工事の内容が変わってきます。
地盤が強ければ、この工事は必要ありませんが、弱ければ工事費が発生します。
4. カーテン工事費
選ぶ生地や輸入物をつかうだけでも金額が変わってきます。
5. 上下水道引込み工事費
敷地内に上下水道が引込まれていれば発生しない工事ですが、引込みがなければ本管から宅内へ引込み工事が発生します。
6. 浄化槽工事費
下水道が整備されていない土地の場合は必須です。
7. 解体工事費
建築しようと考えている敷地に既存の建物などがある場合に発生する工事です。
したがって更地であれば解体工事は発生しません。
上記の項目を全て足した金額(A+B)が『建物の予算』になります。
(2)『設計監理料』について
(3)『建築に伴う諸費用』について
1. 水道局納付金
更地を購入して建築をする場合は水道の権利を買うに発生する金額です。
立て替えの場合は、現状使っている状況により変わってきます。
2. 登記費用
建て替えの場合は、解体した建物の『滅失登記』
新たに建てた建物に対して『表題登記(表示登記)』がかかってきます。
3. 融資諸費用
銀行ローン、公庫など借入先はいろいろありますが、そこからかかってくる諸費用になります。
目安としては、借り入れ金額の2%くらいと言われています。
主なものとして『所有権保存登記』『抵当権設定登記』『火災保険』『団信』『保証料』などになります。
4. 敷地・役所・地盤調査費
専門の調査会社にやって頂く調査です。
家づくりを始める場合は、一番最初にやらなければいけない調査です。詳しくはコチラから!
5. 確認申請・完了検査費用
建物の構造・面積・用途などによって変わってきます。
審査機関に支払う費用です。
6.契約時印紙代
契約時の印紙税となり、契約金額により変わってきます。
設計事務所・工事会社ともかかります。
7.消費税
設計事務所は設計監理料の5%、工事会社は工事費用の5%になります。
以上の(1)〜(3)までを足した金額が総建築予算になります。
その他かかる費用としては『引っ越し費用』『仮住いの費用』『地鎮祭の時の玉串料』です。
※上記の内容について<概算予算計画表>としてまとめてあるもが見たいお客様はこちらをクリック!
ここで、坪単価の話に戻ります。
坪単価の算出の仕方ですが、
『1坪=3.3平方メートル』ですので『延べ床面積/3.3平方メートル』で何坪(=A坪)あるかが分かります。
そして、『総建築予算<(1)+(2)+(3)を足した金額>/A坪=坪単価』と考えるのが普通だと思っていませんか?
ほとんどのお客様はそう思っているはずです。
でも実際はそのような計算の仕方はほとんどしません。
普通は1.建物の予算の『A.建物主体工事/A坪=坪単価』と計算します。
ではなぜ、そのような計算をするか?と言いますと、
建築主体工事費以外は敷地条件やお客様のご要望によって非常に変わり、あまりにも不確定だからです。
例えば敷地条件で言えば
『敷地の高低差の有無?』
『地盤改良の有無?』
『解体工事の有無?』
『床暖房の有無?』
など...まだまだたくさんありますが、
このようなお客様によって金額が変わる部分を付帯工事といいますが、この付帯工事(不確定要素)を取り除き計算する事によってある程度信頼のおける坪単価をだす事ができるからです。
(ですから『建物予算=坪単価*坪数+付帯工事』という事になります。)
でも、建築主体工事は全然変わらないかと言いますと、そんな事はありません。
例えば...
『キッチンの扉の仕様や設備はどうするか?』
『浴室はユニットバスかタイルバスをつくるか?』
『家具製作はどのくらいあるのか?』
『単世帯か二世帯か?(設備が2つづつになる)』
『シングルガラスか?ペアガラスか?』
『建具はどんな仕様か?』
など...です。(建築主体工事費も上記のようにいろいろな項目があります。)
以上のような事からある程度信頼できる坪単価といってもずいぶんと金額に幅がでてくるのがお分かりいただけるのではないかと思います。
以上のような事から坪単価というものは計画の内容によって大きく変わる事がお分かりいただけると思います。
結局、坪単価とは結果論にすぎないと言う事です。
したがって、『坪単価が安い!からといって総建築予算が安く納まる事は無い』と言う事だけは覚えておいてください。
坪単価におどらされるのではなく、『総建築予算の上限はいくらまで大丈夫なのか?』をしっかり考えてから、
上記の総建築費用は『建物予算』『設計監理料』『建築に伴う諸費用』の3つある事を頭にいれて、
相談にいかれる方が金額的にも安心でき、楽しい家づくりができるのではないでしょうか!
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